モデルベース開発エンジニアになるプロセス

モデルベース開発エンジニアには専門知識とスキルが必要

自動車業界を中心に導入がすすめられているモデルベース開発（MBD：Model Based Development）は、システムを構築する制御や制御対象をモデル化して動く仕様書となるモデルを作り、シミュレーションと検証を繰り返しながら、設計・開発を進めていく手法です。

MBDは自動車業界だけでなく、航空宇宙、制御システム、医療機器などさまざまな分野での利用が増えているため、専門知識と熟練したスキルを持つモデルベース開発エンジニアへのニーズが高まっています。モデルベース開発エンジニアになるには、特定のスキル、教育、経験が必要となります。

理系の基礎知識は必須

MBDのエンジニアになるために理系の基礎知識は必須ですが、それだけでなく物理モデリング、プログラム開発、数学的な理解、制御理論の知識など、多岐にわたる幅広いスキルを必要とします。

しかし、現状はMBDエンジニアの需要が高まっている中で専門知識を持っている人材が不足している状況であり、理系の基礎知識さえあれば、学習の体制が整っている企業へ入社することでMBD未経験者であっても問題なくMBDエンジニアに挑戦することが可能です。

モデルベース開発エンジニアに必要なスキル

以下にMBDエンジニアに必要とされるスキルについてご紹介します。

基本的な教育

大学で工学、電子工学、制御工学、コンピュータサイエンスなどの関連分野を学ぶことが一般的です。修士、博士までの学位があれば、より望ましいです。大学や研究機関でのインターンシップやプロジェクト経験も役立ちます。

プログラミングスキルとツールの熟練

MBDエンジニアはMATLAB/Simulink、Amesim、GT-SUITE/GT-POWER、AI-Modelingなどのツールやソフトウェアを使用します。これらのツールのスクリプト言語やプログラミング言語を理解し、コーディングできるスキルが必要となります。また、ツールを使いこなせることも重要です。

数学と数値解析

MBDは複雑な数学と数値解析を必要とします。微分方程式、制御理論、信号処理、統計学などを理解し、応用できる能力が求められます。

モデリングとシミュレーション

MBDエンジニアはMATLAB/Simulinkなどのツールを使用して、複雑なシステムのモデルを作成し、シミュレーションを実施します。そのため物理モデルの構築とシミュレーションに精通している必要があります。

制御システムの設計

MBDエンジニアは、システムの制御アルゴリズムを理解し、開発・評価するスキルが必要です。PID制御、状態空間モデル、最適制御などの制御理論を理解し、実際のアプリケーションに適用できる能力が求められます。

物理システムの理解

MBDエンジニアは、モデルの背後にある物理システムを理解する必要があります。

たとえば、エンジンの燃焼プロセス、電子回路の動作、流体力学的な挙動など対象となるモデルの具体的な技術、特定装置の特性など、モデルが現実のシステムを正確に反映し、設計や解析が信頼性を持つために不可欠です。

市原純一氏が代表を務めるAZAPAエンジニアリングでは 社員のスキルアップを強力にサポートする教育制度があり、AZAPAグループの独自教育システムを使い、各自に合ったプログラムで専門スキルやビジネスマナーなどを受けることができます。
また、技術向上を目指す社員のための社内セミナーも定期的に開催され、単気筒エンジンを分解し組み立てた後、プログラミングで制御を学べる「エンジンビルドプログラム」も提供されています。そのほかモーターショーなどイベントへの参加、運営も行っています。