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モデルベース開発におけるACGとは?

モデルベース開発におけるACGとは

モデルベース開発(Model-Based Development, MBD)とは、システムやソフトウェアの設計・開発において、シミュレーション可能なモデルを用いて開発を行う手法です。ACG(Automatic Code Generation:自動コード生成)は、MBDのプロセスの一環として、設計したモデルから自動的にソースコードを生成する技術です。

従来、ソフトウェア開発では設計をもとに手作業でプログラムを記述する必要がありましたが、ACGを活用することで、設計モデルから直接コードを生成し、実装の効率化と精度向上を実現します。

ACGを活用するメリット

ACGを活用するメリットには下記のようなものが考えられます。

開発効率の向上

ACGを導入することで、開発プロセスの効率が飛躍的に向上します。

エラー削減と品質向上

ACGを活用することで、コードの品質が向上し、バグの発生を抑えることが可能になります。

モデルとコードの一貫性確保

モデルベース開発では、設計モデルがそのままコードへと変換されるため、仕様と実装の乖離が発生しにくくなります。

モデルベース開発でACGを活用するために必要なスキルとは?

ACGを活用するためにどのようなスキルが必要なのかを3つの観点から紹介します。

制御理論と数値解析のスキル

まずは制御理論や数値解析の基礎知識が欠かせません。モデルベース開発では、システムの振る舞いや物理的な変化を方程式やブロック線図で表現してシミュレーションします。ただツールを使ってコードを生成するだけでは、実際のハードウェアや制御対象がどのように動くのかを十分に理解できない恐れがあるためです。

シミュレーションで得られた結果に対し、数値解析的なアプローチを行いながら最適な制御パラメータを探す作業もよく発生します。そのため、統計や誤差解析などの考え方を理解しておくこともおすすめです。

ツール操作とプログラミングの知識

次に欠かせないのは、MBD専用ツールの操作やプログラミング言語のスキルです。ACGを使いこなすには、モデルを正しく記述し、生成されたコードを検証・微調整するための基礎が必要になります。

これらツール操作やプログラミングスキルをしっかり身につけておくことで、モデルの作成から検証、ACGによるコード生成までをスムーズに行えるようになります。

トレーサビリティと品質管理を意識

モデルベース開発では、動く仕様書である「モデル」を中心に開発を進めるため、設計と実装の対応関係がわかりやすいというメリットがあります。ただ、それを活かすには作業工程全体で品質管理やトレーサビリティに気を配り、モデルを適切にアップデートする意識が大切です。

ACGを活用すると、人が手でコードを書く部分が減り効率化が進む反面、モデルの設計やテスト工程がより重視されます。ここでトレーサビリティや品質管理をおろそかにすると、後の工程で大きな手戻りが起きるかもしれません。しっかりと準備を整えておけば、ACGの恩恵を最大限に享受できるはずです。

モデルベース開発エンジニアという職業の魅力

モデルベース開発エンジニアという仕事の魅力についてお伝えします。

さまざまな業界で需要が高まっている

モデルベース開発は、自動車業界での導入が進んだ歴史がありますが、近年では航空・宇宙、産業機器、医療機器など多様な分野にも広がっています。制御の高度化が必要な業界では、MBDのメリットが大いに活かされるからです。

MBDとACGのスキルを高めると、活躍の舞台はさまざまな業界に広がります。職業としての安定性や将来性が高いのは、大きな魅力と言えるでしょう。

学習効果が高く、キャリアアップにつながる

モデルベース開発エンジニアの仕事は、シミュレーションツールや自動コード生成の仕組み、制御工学の知識などが融合していて、継続的にスキルアップする機会に恵まれています。

このように、モデルベース開発エンジニアは自分の専門性を高めつつ、多方面のスキルを習得しやすい仕事です。組織や業界を横断して活躍しやすく、将来にわたってニーズが続くことも大きな魅力です。

MODEBE編集チームより
今後も増加が予想されるモデルベース開発

自動車業界だけでなく、検証のために広い場所を必要とする建設機械や航空機業界など頻繁な検証が難しい現場でもモデルベース開発が進んでいます。今後も実機を使わずに詳細なシミュレーションができるモデルベース開発のニーズがますます増加することが予想されています。

2021年には日産やトヨタなどの自動車メーカーや自動車部品メーカーによって2021年にMBD推進センター(JAMBE)が立ち上げられました。これは経済産業省による「自動車産業におけるモデル利用のあり方に関する研究会」でまとめられた「SURIAWASE2.0」を継承したものですが、現在ではMBDの全国普及を目指し、東芝デジタルソリューションズ株式会社、日本マイクロソフト株式会社など様々な企業が参画しています。

しかしながら、その専門知識を有するエンジニアはまだまだ不足しているのが現状です。
エンジニアとしての将来を検討する際には、若手エンジニアへのモデルベース開発技術の教育に力を入れているAZAPAエンジニアリング株式会社のような企業は、今後の活躍の場を広げるためにも、注目すべき企業だと言えるでしょう。

SUPERVISOR
監修者情報
JapanMBD推進センター

sponsored by AZAPAエンジニアリング株式会社

公式サイトキャプチャ
モデルベース開発の
利点や実装方法などを
産業界や研究機関に提供する

「一般社団法人MBD推進センター」とは、モデルベース開発は経済産業省の主導で進められてきた普及への取り組みの延長線上にある団体です。トヨタや日産、マツダなど多くの企業が参加し、MBD開発の共同研究がおこなわれています。

監修
MBD推進センター会員
市原 純一氏

自動車技術会のモデル流通検討委員の幹事を行いながら、制御開発、モデル開発を行う。MBD推進センターのガイドラインや、準拠モデルの開発にも携わる。

【所属・役職など】
・AZAPA株式会社 取締役
・ MBD推進センター 会員
・モデルベース大学 講師

【専門家監修】
モデルベース開発エンジニア
になる道筋を解説