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自動車以外でモデルベース開発が用いられている分野

目次

モデルベース開発は、その特徴を活かして自動車業界を中心に様々な分野で利用されている開発手法です。この記事では、自動車業界以外でモデルベース開発が活用されている産業について紹介します。

自動車以外でモデルベース開発が活用される産業

航空機

航空機産業は、モデルベース開発を導入することによって制御開発の効率化が得られやすい産業であると考えられています。

自動車と異なり、航空機は検証を行う場合でも何度も実機を飛ばすわけにはいかないため、シミュレーション技術を活用するモデルベース開発との相性が良いといえるでしょう。さらに、特定の故障状態など、航空機においては実機での再現が難しい状況や、実機で再現した場合に危険が伴う状況においても、モデルを用いることで検証がしやすい場合があります。

また、航空機は機材そのものが大きい点も特徴として挙げられますが、開発や検証において場所をとる点も、モデルベース開発の導入が加速している要因といえます。

建設機械

建設機械の開発において、求められる要求が年々高度化してきたことにより、システムについても大規模化・複雑化している状況が生まれています。かつては机上検討のみで開発を行うケースが多かったのですが、システムが大規模化・複雑化した状況では、単純な机上検討のみでは十分に事前検討を行うことが困難となり、実機で初めて課題に気づくというケースも増えているのです。

このような状況において効率的に開発を行うため、モデルベース開発の適用による実証実験を導入しています。

精密機械

「精密機械」というと、工作機械や計測装置など、機械的精度を要求仕様とする製品を指します。例えば工作機械においては、使用する機械の精度がそのまま加工部品の精度に反映されることになります。

精密機械のように、誤差が性能や品質を大きく左右する場合にモデルベース開発が必要となるケースとしては、従来の延長線上での開発ではなく、製品において何らかの革新や刷新が求められる場合であると考えられます。

エネルギー分野

エネルギー分野においてもモデルベース開発の導入が進められています。その背景として、近年新たな電力システムについて模索する動きが活発になっているという面が挙げられます。

例えば、地産地消を目指した電力システムの構築や、中・大型の蓄電池を用いた住宅・ビル・工場・地域における電力平準化、電気自動車などの車載電池を用いた「V2H(vehicle to home)」や「V2G(vehicle to grid)」などがありますが、実際には取り扱う電圧の範囲が広いため、昇降圧の回路や直流・交流の電力変換回路の設計を行い、システムとして構築できる企業が限られているのが現状です。

この問題を解決するために、自動車業界などで用いられてきたモデルベース開発が注目されているのです。モデルベース開発は機械系の制御だけではなく、電気系への適用が可能である点も特徴のひとつ。エネルギーシステムにおいても、これまで行われてきたトライ・アンド・エラー的な開発ではなく、モデルベース開発を活用してシミュレーションを多用することで、開発期間の大幅な短縮が期待されています。

モデルベース開発エンジニアの需要は高まっている

ここまでご紹介してきたとおり、モデルベース開発はさまざまな分野で利用されている開発手法です。自動車業界はもちろん、航空機や建設機械、精密機械、エネルギー分野など、幅広い分野で用いられるようになっています。

これまでのように、紙の仕様書を使用して開発・検証を進めるとエラーにつながる可能性があり、かといってプロトタイプを毎回作成して検証を行うと、コストと時間も余計にかかってしまいますが、モデルベース開発を用いることで、より効率的に開発を進められます。こうした状況の中、モデルベース開発の重要性が増し、モデルベース開発エンジニアの需要も高まっていくと考えられます。そのため、エンジニアはモデルベース開発に関する知識を身につけておくことで、自分の市場価値を向上させられるでしょう。

MODEBE編集チームより
今後も増加が予想されるモデルベース開発

自動車業界だけでなく、検証のために広い場所を必要とする建設機械や航空機業界など頻繁な検証が難しい現場でもモデルベース開発が進んでいます。今後も実機を使わずに詳細なシミュレーションができるモデルベース開発のニーズがますます増加することが予想されています。

2021年には日産やトヨタなどの自動車メーカーや自動車部品メーカーによって2021年にMBD推進センター(JAMBE)が立ち上げられました。これは経済産業省による「自動車産業におけるモデル利用のあり方に関する研究会」でまとめられた「SURIAWASE2.0」を継承したものですが、現在ではMBDの全国普及を目指し、東芝デジタルソリューションズ株式会社、日本マイクロソフト株式会社など様々な企業が参画しています。

しかしながら、その専門知識を有するエンジニアはまだまだ不足しているのが現状です。
エンジニアとしての将来を検討する際には、若手エンジニアへのモデルベース開発技術の教育に力を入れているAZAPAエンジニアリング株式会社のような企業は、今後の活躍の場を広げるためにも、注目すべき企業だと言えるでしょう。

SUPERVISOR
監修者情報
JapanMBD推進センター

sponsored by AZAPAエンジニアリング株式会社

公式サイトキャプチャ
モデルベース開発の
利点や実装方法などを
産業界や研究機関に提供する

「一般社団法人MBD推進センター」とは、モデルベース開発は経済産業省の主導で進められてきた普及への取り組みの延長線上にある団体です。トヨタや日産、マツダなど多くの企業が参加し、MBD開発の共同研究がおこなわれています。

監修
MBD推進センター会員
市原 純一氏

自動車技術会のモデル流通検討委員の幹事を行いながら、制御開発、モデル開発を行う。MBD推進センターのガイドラインや、準拠モデルの開発にも携わる。

【所属・役職など】
・AZAPA株式会社 取締役
・ MBD推進センター 会員
・モデルベース大学 講師

【専門家監修】
モデルベース開発エンジニア
になる道筋を解説