未経験でもモデルベース開発エンジニアにはなれるのか？

こちらの記事では、モデルベース開発のエンジニアには未経験でもなれるのか、という疑問にお答えします。モデルベース開発の概要に加え、エンジニアとして必要なスキルなどについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

モデルベース開発は未経験でも挑戦可能

モデルベース開発は、自動車業界や航空宇宙、制御システム、医療機器など、多彩な分野で用いられている開発手法です。そのため、開発を行うには理系の基礎知識が必要とされます。

モデルベース開発で必要とされるプログラム開発や物理モデリング、制御理論に関する知識などのスキルについては、学習するための体制がしっかりと整えられている企業に入社することによって身につけることが可能です。そのため、モデルベース開発の経験がなくても、理系の基礎知識があればモデルベース開発のエンジニアに挑戦することができます。

未経験でモデルベース開発に挑戦したいと考えている人は、研修体制が整っている企業を選ぶと良いでしょう。

モデルベース開発とは

モデルベース開発とは、製造業の開発段階で活用されている開発手法です。

従来型の開発方法の場合、「システム設計」「ソフトウェア設計」「プログラム作成」「ソフトウェア検証」「適合・評価」のプロセスに沿った形で1つずつ開発を進めますが、最終的な試作段階においては、ハードウェアに実装してから検証・フィードバックが行われます。この時、試作の精度が低い場合には、最初に戻ってシステム設計からやり直すことになります。

一方、モデルベース開発の場合は、「システム設計」「ソフトウェア設計」といった設計の段階で精度の検証を行うことが可能です。ハードウェアに組み込む前の段階で高い精度のモデルを作成できるため、ほぼ改善が必要ない状態でハードウェアに実装できることになります。

このように、モデルベース開発ではハードウェア実装後にシステム設計まで戻ってやり直す、という状況を防げるため、開発期間を大幅に短縮でき、開発コストの削減につなげられます。

モデルベース開発に必要なスキル

モデルベース開発を行う場合には下記のようなスキルが求められます。

• 関連分野の知識
  工学や電子工学、コンピューターサイエンスなどの知識
• 使用ツールやソフトウェアに関する知識とコーディングスキル
  MATLAB/Simulink、Amesim、GT-SUITE/GT-POWER、AI-Modelingなど、使用ツールやソフトウェアに関する知識とスキル
• 数学と数値解析のスキル
  微分方程式や制御理論、信号処理、統計学などを理解・応用するための知識やスキル
• 物理モデルの構築とシミュレーションに関するスキル
  ツールを使用し、複雑なシステムのモデルを作成してシミュレーションを行うためのスキル
• 制御システムに関するスキル
  システムの制御アルゴリズムを理解し、開発・評価するためのスキル
• 物理システム理解するスキル
  モデルの背景にある物理システムを理解するためのスキル

モデルベース開発エンジニアの需要は高まっている

モデルベース開発は、自動車業界や家電業界など「制御」が必要となる業界で多く用いられている開発手法です。医療機器やロボットなどの開発にも用いられており、将来的に大きく成長していく分野であると考えられています。それに対し、モデルベース開発のエンジニアは不足しており、その需要はますます高まっていくことが予想されます。

モデルベース開発エンジニアとして未経験だったとしても、教育制度が整っている会社に入社することによってエンジニアとしてチャレンジ可能です。モデルベース開発エンジニアとしての経験を積んでおくことは、エンジニアとしてのキャリアアップ・ステップアップに役立つといえるでしょう。